紀州南高梅とは

「紀州南高梅」は、和歌山県の特定の地域でのみ栽培される、歴史と地形が作る最高級の梅です。
大粒で果肉が厚く、皮が極めて薄く柔らかいのが特徴で、その品質は他の追随を許しません。

紀州における梅栽培の歴史は古く、江戸時代にまで遡ります。

当時の紀州藩田辺領主であった安藤直次が、。急斜面の土地を有効活用するため、農民に梅の栽培を奨励し、田辺・みなべ地方を中心に広がりました。

「南高梅」という品種が確立したのは戦後、昭和25年頃のことです。優良品種を選抜する取り組みの中で、上南部村長の長男である高田貞楠氏、南部高校の教諭であった竹中勝太郎氏らが中心となり、5年間の調査研究を経て最も優れた品種を選定しました。
この品種がのちに「南高梅」と名付けられました。
高校名と高田氏の名前から一文字づつとって付けたともいわれていますが、この先人たちの情熱と努力が、現在のブランドを築き上げたのです。

【独自の地形と土壌:みなべ・田辺地域ならではの環境】

最高品質の南高梅が育つのは、和歌山県の中でもみなべ町や田辺市といった限られた地域です。この地域特有の以下の条件が、他県では真似できない梅を生み出します。

  • 水はけの良い急傾斜地: 梅は水はけの良い土地を好みます。この地域の多くは山が海岸近くまで迫る急斜面で構成されており、この地形が梅の栽培に最適です。
  • 中性質の土壌: 梅の成長にはカルシウムが豊富な中性質の土壌が必要であり、この地域はまさにその条件を満たしています。
  • 「みなべ・田辺の梅システム」: 薪炭林を残しつつ梅林を開墾するという独自の土地利用は、防災や生物多様性の保全にもつながっており、世界農業遺産にも認定されています。

紀州南高梅の最大の魅力は、その圧倒的な品質にあります。

  • 大粒で肉厚: 果実が非常に大きく、平均で22g~35gにもなります。種が小さいため、可食部である果肉がたっぷり詰まっています。
  • 皮が極めて薄く柔らかい: 完熟するとほんのり美しい紅をさし、皮が薄く柔らかくなるため、口の中でとろけるような食感を生み出します。
  • 芳醇な香りとバランス: 熟した梅からは芳醇な香りが漂い、甘みと酸味のバランスが絶妙です。

この特別な環境と歴史、そして生産者のこだわりによって生み出される紀州南高梅は、まさに食を極めた大人にふさわしい逸品と言えるでしょう。

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